平行移動の公式
$y=f(x)$、$x$軸方向に$\color{red}a$、$y$軸方向に$\color{blue}b$平行移動したとき、
$y-\color{blue}a\color{black}=f(x-\color{red}b\color{black})$
平行移動がどのような感じかイメージしたい方はこちらもご覧ください。
平行移動の公式の証明
任意の$F$をグラフに持つ$y=f(x)$を$x$軸方向に$\color{red}a$、$y$軸方向に$\color{blue}b$平行移動したグラフを$G$とします。
このとき、グラフ$F$上の任意の点$(x, \, y)$に対応するグラフ$G$上の点を$(x2, \, y2)$とする。
グラフG上の点$(x2, \, y2)$は点$(x, \, y)$を$x$軸方向に$\color{red}a$、$y$軸方向に$\color{blue}b$平行移動した点なので、点$(x+a, \, y+b)$のことである。よって、点$(x2, \, y2)=$点$(x+a, \, y+b)$なので、下記が成り立つ。
$x2=x+a$・・・( i )
$y2=y+b$・・・( ii )
上の図の$b$はマイナス方向に移動していますが、プラスの記号がついています。
それは、$b$自体がマイナスなので、問題ありません。
例えば、$x$軸方向に$1$、$y$軸方向に$-3$平行移動したとすると、$b=-3$となります。
よって、( ii ) の式であれば、$y=y2+(-3)=y2-3$となり、ちゃんとマイナスになっています。
( i ) より、$x=x2-a$・・・( iii )
( ii ) より、$y=y2-b$・・・( iv )
$y=f(x)$に( iii ) ( iv )を代入すれば、グラフFを平行移動したグラフGが持つ関数となる。
$y2-b=f(x2-a)$
これは平行移動の公式になっている。
証明終了。
補足:x2、y2が気持ち悪い
先ほど証明の最後で出てきた、$y2-b=f(x2-a)$。
$y=f(x)$みたいに$x$、$y$となっていないので少し気持ち悪いと感じる人もいるかもしれません。ですが、$x$、$y$、$x2$、$y2$、どれもただの文字です。どちらも意味合いは同じです。
関数とは?(イメージとして)
$y=f(x)$とは、$x$に何か値を渡すと$y$という値を返してくれる装置です。
例えば、「$f(x)=x$」であれば、$x=1$を渡せば$y=1$を、$x=3$を渡せば$y=3$を返してくれます。「$f(x)=x-2$」であれば、$x=1$を渡せば$y=1$を、$x=3$を渡せば$y(=3^2)=9$を返してくれます。
この変換してくれる装置を関数といいます。
関数について少し掘り下げる
関数とは数の集合を値にとる写像の一種です。
集合 A の各元に対してそれぞれ集合 B の元をただひとつずつ指定するような規則 f が与えられているとき、f を「定義域(あるいは始域) A から終域 B への写像」といい
${\displaystyle f\colon A\to B,\quad A{\stackrel {f}{{}\to {}}}B}f\colon A\to B,\quad A{\stackrel {f}{{}\to {}}}B$などと表す。
ウィキペディアの執筆者,2021,「写像」『ウィキペディア日本語版』,(2021年7月14日取得,https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E5%86%99%E5%83%8F&oldid=83243785).
上で引用した$f$がまさに関数です。
関数・写像の例
下記を例に関数・写像を見てみます。
- 規則$f$が$f(x)=2x$
- 定義域($x$の範囲)が$-2 \leq x \leq 3$($x$は整数)
※集合が確認しやすいので整数にしています
定義域より、集合$A$は$\{-2, \, -1, \,0, \,1, \,2, \,3\}$です。
集合$A$の各元を規則$f$で変換すると、集合$B$がわかります。
規則$f$は「渡された値を2倍にする」なので、集合$B$は$\{-4, \, -2, \,0, \,2, \,4, \,6\}$となります。
集合Aの各元に対してそれぞれ集合Bの元をただ一つずつ指定するようになっています。このとき$f$を定義域Aから終域Bへの写像といいます。
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- 問題の解答例など解法は見ずに解いています。覚えていない部分は学習はしますが、直接問題の解き方は調べていません。
よって、順当な解法かは分かりませんが、何か参考になれば幸いです - なるべく細かく書くようにしています。不明点はコメントいただければ嬉しいです
- また、正解かどうかのチェックは行い、正解にはなっています
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