#3 論理積、論理和、否定、含意の性質を確認する
注意点

正しく証明・計算の結果が学術的に本当に正しいかどうかは保証できません…ご了承くださいm(__)m
学生の方であれば、疑問に思ったところなどは教授・助教授、その他周りの方に確認してくださいね。
もし、コメント等でご指摘いただければ有難いです。

このページのまとめ

  1. 論理積「$\land$」、論理和「$\lor$」、否定「$\lnot$」、含意「$\to$」の性質を確認する
  2. $ (P \land P)$と$P$は置き換え可能(反射律という)
  3. $(P \land Q)$と$(Q \land P)$は置き換え可能(対象律という)
  4. $ (P \lor P)$と$P$は置き換え可能(反射律という)
  5. $(P \lor Q)$と$(Q \lor P)$は置き換え可能(対象律という)
  6. $\lnot (\lnot P)$と$P$は置き換え可能(二重否定)
  7. $P \land \lnot P$は常に」(矛盾式という)
  8. $P \lor \lnot P$は常に(恒真式(トートロジー)という)
  9. $(P \to Q)$と$(Q \to P)$は置き換えできない
  10. $P \to P$は常に(恒真式(トートロジー)という)
  11. $(P \to Q) \lor (Q \to P)$は常に(恒真式(トートロジー)という)

論理積「$\land$」の性質

反射率

$P$ $P \land P$
T T
F F

$P \land P$と$P$は論理的に同値です。よって、$P \land P$を$P$と置き換えることができますし、$P \land P$を$P$と置き換えることができます。

論理的に同値

2つの論理式の真偽が一致することを論理的に同値と言います。

対象律

$P$ $Q$ $P \land Q$ $Q \land P$
T T T T
T F F F
F T F F
F F F F

$P \land Q$と$Q \land P$は論理的に同値です。よって、$P \land Q$を$Q \land P$と置き換えることができますし、$Q \land P$を$P \land Q$と置き換えることができます。

参考リンク

論理和「$\lor$」の性質

反射率

$P$ $P \lor P$
T T
F F

$P \lor P$と$P$は論理的に同値です。よって、$P \lor P$を$P$と置き換えることができますし、$P \lor P$を$P$と置き換えることができます。

対象律

$P$ $Q$ $P \lor Q$ $Q \lor P$
T T T T
T F T T
F T T T
F F F F

$P \lor Q$と$Q \lor P$は論理的に同値です。よって、$P \lor Q$を$Q \lor P$と置き換えることができますし、$Q \lor P$を$P \lor Q$と置き換えることができます。

参考リンク

  1. $P \lor Q$(論理和)の真理値表を示せ >
  2. $(P \lor Q) \leftrightarrow (Q \lor P)$を確認せよ(対象律) >
  3. $(P \lor P) \leftrightarrow P$を確認せよ(反射律) >

否定「$\lnot$」の性質

二重否定

$P$ $\lnot P$ $\lnot (\lnot P)$
T F T
F T F

$\lnot (\lnot P)$と$P$は論理的に同値です。よって、$\lnot (\lnot P)$を$P$と置き換えることができますし、$P$を$\lnot (\lnot P)$と置き換えることができます。

$P \lor \lnot P$(恒真式)

$P$ $\lnot P$ $P \lor \lnot P$
T F T
F T T

$P \lor \lnot P$は恒真式(トートロージー)です。

つまり、$P$が「」であれば、$\lnot P$は「」であり、$P$が「」であれば、$\lnot P$は「」である、のどちらかしか起こりえないということです。

$P \land \lnot P$(矛盾)

$P$ $\lnot P$ $P \land \lnot P$
T F F
F T F

$P \land \lnot P$は$P$の真偽に関わらず常に「」となります。よって、$P \land \lnot P$は必ず成り立ちません。

このように$P$の真偽に関わらず常に「」になる論理式を矛盾式と言います。つまり、$P$が「」であり「」となることは起こりえないということです。

参考リンク

  1. $\lnot P$(否定)の真理値表を示せ >
  2. $P \lor \lnot P$が恒真式であることを確認せよ(排中律) >
  3. $P \land \lnot P$の真理値表を求めよ(矛盾) >

含意「$\to$」

$P \to P$(恒真式)

$P$ $P \to P$
T T
F T

$P \to P$は恒真式(トートロージー)です。

つまり、$P$が「」ならば、$P$は「」であり、$P$が「」であれば、$P$は「」であるということです。

$(P \to Q) \lor (Q \to P)$(恒真式)

$P$ $Q$ $P \to Q$ $Q \to P$ $(P \to Q) \lor (Q \to P)$
T T T T T
T F F T T
F T T F T
F F T T T

$(P \to Q) \lor (Q \to P)$は恒真式(トートロージー)です。

参考リンク

  1. $P \to Q$(含意)の真理値表を示せ >
  2. $P \to P$が恒真式であることを確認せよ >

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このページのまとめ

  1. 論理積「$\land$」、論理和「$\lor$」、否定「$\lnot$」、含意「$\to$」の性質を確認する
  2. $ (P \land P)$と$P$は置き換え可能(反射律という)
  3. $(P \land Q)$と$(Q \land P)$は置き換え可能(対象律という)
  4. $ (P \lor P)$と$P$は置き換え可能(反射律という)
  5. $(P \lor Q)$と$(Q \lor P)$は置き換え可能(対象律という)
  6. $\lnot (\lnot P)$と$P$は置き換え可能(二重否定)
  7. $P \land \lnot P$は常に」(矛盾式という)
  8. $P \lor \lnot P$は常に(恒真式(トートロジー)という)
  9. $(P \to Q)$と$(Q \to P)$は置き換えできない
  10. $P \to P$は常に(恒真式(トートロジー)という)
  11. $(P \to Q) \lor (Q \to P)$は常に(恒真式(トートロジー)という)

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