令和2年センター本試>数1A>第2問 [2] (1) 解いてみた
当ページの注釈
  1. 問題の解答例など解法は見ずに解いています。覚えていない部分は学習はしますが、直接問題の解き方は調べていません。
    よって、順当な解法かは分かりませんが、何か参考になれば幸いです
  2. なるべく細かく書くようにしています。不明点はコメントいただければ嬉しいです
  3. また、正解かどうかのチェックは行い、正解にはなっています

 

問題

問題は下記を開いてご確認ください。

令和2年度本試験の問題|大学入試センター

第2問 [2] (1)

四分位相よりまず分かること

四分位相はデータを小さいものから並べて字のとおりデータを均等に4分割したもの。

ここでは99個のデータなので、真ん中の50番目が第2四分位数であり、中央値である。つまり、中央値より小さい観測値の個数は48個である。

次に、第2四分位数より小さい側のデータが49個あるので、その真ん中の25番目が第1四分位数である。第2四分位数より大きい側のデータも同様に49個あるので、その真ん中の25番目、全体だと75番目が第3四分位数である。

四分位相について押えておきたいことはこちら>

選択肢を一つずつチェックしていく。

選択肢0:平均値は第1四分位数と第3四分位数の間にある

×:平均値は第1四分位数と第3四分位数の間にない場合がある

数が小さい側のデータや大きい側のデータが第1四分位数~第3四分位数の外側に偏っている場合に成立しない。

反例)1番目から98番目まで、すべて「$0$」、99番目が「$99$」とする。
このとき、平均値は$1$である。98番目が$0$、99番目が$99$なので、平均値は$1$は98番目と99番目の間にある。第1四分位数は25番目、第3四分位数は75番目なので、平均値はその間にはない。

参考:平均値$=\{(0 \times 98) +99\}\div 99 = 1$

選択肢1:四分位範囲は標準偏差より大きい

×:四分位範囲は標準偏差より小さい場合がある

数が小さい側のデータや大きい側のデータが第1四分位数~第3四分位数の外側に偏っている場合に成立しない。

反例)1番目のデータから第3四分位数までの数値がすべて「$0$」、第3四分位数の次からすべて$99$とする。
※計算しやすいように99とする

このとき、$\{(0 \times 75) + (99 \times 24)\} \div 99 = 24$なので、平均値は「$24$」

また、四分位範囲は第3四分位数-第1四分位数なので「$0$」

最後に標準偏差はデータのバラツキ具合の平均のようなものなので、各データから平均を引いて2乗した値をすべて足して、それをデータの数で割り、ルートをとったものである。よって、

標準偏差$\displaystyle \sigma=\sqrt{\frac{((0-24)^2 \times 75) + ((100-24)^2 \times 24)}{99}}=\sqrt{\frac{76^2 \times 24}{99}}$である。

ここで、標準偏差$\displaystyle \sigma=\sqrt{\frac{76^2 \times 24}{99}}$は分母分子ともに正の数なので$\displaystyle \sqrt{\frac{76^2 \times 24}{99}} > 0$は明らかである。

四分位範囲は「$0$」なので、四分位範囲は標準偏差より小さい。

選択肢2:中央値より小さい観測値の個数は49個である

×:中央値より小さい観測値の個数は49個より小さい場合もある

中央値と同じ値のデータが複数ある場合は、49個より小さくなる。

反例)1つ目のデータが「$0$」、2つ目以降の値がすべて「$100$」とする。このとき、中央値は「$100$」。「$100$」より小さい値は1つ目のデータしかないので、中央値より小さい観測値の個数は1個である。

選択肢3:最大値に等しい観測値を1個削除しても第1四分位数は変わらない

〇:最大値に等しい観測値を1個削除しても第1四分位数は変わらない

最大値に等しいということは1番後ろのデータを一つ削除すると考えて問題ない。

よって、一番後ろのデータを削除する前と後の第1四分位数を調べる。

データは小さい順から$A1, \, A2, \, A3・・・, \, A97, \, A98, \, A99$とする。最大値と等しい観測値を削除するので、最低でも$A98=A99$である。

最後のデータを削除しない場合(99個)

第2四分位数が$A50$なので、第2四分位数より小さい側のグループは49個ある。その中の真ん中である$A25$が第1四分位数になる。

最後のデータを削除した場合(98個)

データが偶数個なので、第2四分位数は$(A49+A50)\div 2$である。このとき第2四分位数より小さい側のグループはA49も含むため、49個ある。その中の真ん中である$A25$が第1四分位数になる。

よって、最大値に等しい観測値を1個削除しても第1四分位数は変わらない。

選択肢4:第1四分位数より小さい観測値と、第3四分位数より大きい観測値とをすべて削除すると、残りの観測値は51個である

×:残りの観測値は51個より少なくなる場合がある

第1四分位数や第3四分位数と同じ値のデータが複数ある場合は、51個より小さくなる。

反例)1番目から98番目まで、すべて「$0$」、99番目が「$99$」とする。
このとき、第1四分位数、第3四分位数はともに$0$である。第1四分位数より小さい観測値はなく、第3四分位数より大きい観測値は99番目($100$)しかないので、残りの観測値は1個となる。

選択肢5:第1四分位数より小さい観測値と、第3四分位数より大きい観測値とをすべて削除すると、残りの観測値からなるデータの範囲はもとのデータの四分位範囲に等しい

〇:第1四分位数より小さい観測値と、第3四分位数より大きい観測値とをすべて削除すると、残りの観測値からなるデータの範囲はもとのデータの四分位範囲に等しい

四分位範囲

データは小さい順から$A1, \, A2, \, A3・・・, \, A97, \, A98, \, A99$とする。

すると、第3四分位数は$A75$、第1四分位数は$A25$なので、四分位範囲は$A75-A25$となる。

残りの観測値からなるデータの範囲

( i )$A24<A25$かつ$A75<A76$の場合

この場合、$A24$は$A25$より小さいので$A24$より前はすべて削除、同様に$A76$は$A75$より大きいので$A75$より後ろはすべて削除。

よって、データはA25~A75となる。従って、データの範囲は$A75-A25$となる。これは四分位範囲と等しい

( ii )$A24=A25$かつ$A75=A76$の場合

この場合、$A24$は$A25$と等しいので、$A23$より前をすべて削除、同様に$A76$は$A75$と等しいので$A76$より後ろをすべて削除。

よって、データはA24~A76となる。従って、データの範囲は$A76-A24$となるが、$A24=A25$かつ$A75=A76$の場合なのでデータの範囲は$A75-A25$でもある。これは四分位範囲と等しい

$A23=A24=A25$や$A75=A76=A77$の場合

$A23=A24=A25$や$A75=A76=A77$の場合といった場合も同様です。$A23$と$A25$、$A77$と$A75$は等しいので、データの範囲は$A75-A25$と書けます。

極端な話、$A1, \, A2, \, A3・・・, \, A97, \, A98, \, A99$がすべて等しい値だとすると、第1四分位数より小さい観測値も第3四分位数より大きい観測値もないので、残りの観測値は元のデータと同じく99個あります。よって、データの範囲は$A99-A1$となります。ですが、すべて同じ値なので、当然$A99-A1=A75-A25$は成立します。

( iii )$A24=A25$またはh$A75=A76$の場合

( ii )$A24=A25$かつ$A75=A76$の場合と同様。データの範囲は$A75-A25$でもあり、四分位範囲と等しい

回答

以上より、最大値に等しい観測値を1個削除しても第1四分位数は変わらない(選択肢3)、第1四分位数より小さい観測値と、第3四分位数より大きい観測値とをすべて削除すると、残りの観測値からなるデータの範囲はもとのデータの四分位範囲に等しい(選択肢5)の2つが成り立つ。

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  1. 問題の解答例など解法は見ずに解いています。覚えていない部分は学習はしますが、直接問題の解き方は調べていません。
    よって、順当な解法かは分かりませんが、何か参考になれば幸いです
  2. なるべく細かく書くようにしています。不明点はコメントいただければ嬉しいです
  3. また、正解かどうかのチェックは行い、正解にはなっています